離婚と不動産の予備知識

予備知識1:財産分与

財産分与とは、離婚する際の財産の分け方について、夫婦間で取り決めをすることです。婚姻期間中に増えた財産は原則夫婦で半分に分割します。離婚後2年以内で決定する必要があります。

不動産の財産分与手続きは、登記がポイントとなります。財産分与協議書・登記申請書・権利証・印鑑証明書等を法務局に提出することで、所有権移転登記を行います。ローンがなければ、自分たちで手続きすることも可能です。法務局などに相談してみましょう。

但し、男女どちらかに財産が偏る形で財産分与を行うと、贈与税が課税される場合があります。婚姻期間中に得た夫婦共通の財産を正確に決定するには弁護士への依頼が必要です。また、贈与税の金額を算出するには税理士への依頼が必要となります。

不動産を取るか、預貯金を取るか、あなたならどうしますか?不動産のデメリットは、お金に変えるのに時間がかかることです。

ただし不動産は思ったよりも高く売れることもありますし、人に貸せば一定の収入を生みます。 なかなか迷いどころですがあなたはどちらを選びますか・・・?

予備知識2:不動産の価格評価方法

これが意外に曲者です。巷には不動産価格一括査定サイトがあふれ、いろいろな会社が無料査定を謳っています。 しかし、大手であっても、客観的な金額の評価書を作ってくれるとは限りません。自分の会社に売却依頼をしてもらいたいから、ちょっとだけ高い金額の評価書を作るのです。

この時にあまり高すぎる評価書だと信憑性がないので、ちょっとだけ高い金額の評価書が出てきがちです。自分のマイホームを愛するが為に、高い評価書に乗っかってしまい、痛い目を見ることは多々あります。 もちろん、いたずらに低い金額で売却する必要はありませんが、離婚の場合急いで売る必要があるケースが少なくないため、評価書の金額だけで不動産会社を決めないように気を付けましょう。離婚が絡むと特別な知識が必要ですし、場合によって不動産会社と弁護士で連携を取ってもらう必要が生じます。

何件か不動産会社をあたって、比較して決めるようにしましょう。なお、路線価格・公示価格・固定資産税評価額などの公的価格は、必ずしも時価と同じということはありません。例えば東京都心部では、時価が公示価格の何倍もあるということも珍しくありませんのでご注意ください。

予備知識3:不動産の共有持ち分

結婚した時は夫婦円満、持分も半分ずつ、よくあるパターンではないでしょうか。不動産売却には共有者全員の同意が必要です。また、女性側が男性側の持分を買い取る、というウルトラC的な解決方法もありますが、いろいろとハードルがあります。

法律的な観点で行くと、「共有」は権利的に不安定で、できる限り早く解消すべき事項です。なにより離婚の場合、共有になっていると、男性・女性が協力して手続きを行わなければならないことが大きなストレスにつながります。やっぱり共有で買わなければ良かった・・・など後悔が生じるかもしれませんが、現実的な問題解決のためには、ひとつひとつ問題を整理し、意思決定していく必要があります。

予備知識4:住宅ローンの名義移転

住宅ローンが残っていて、その名義を、例えば男性側から女性側へ移転する必要がある場合、金融機関への相談が最初の作業となります。金融機関によっては、離婚の場合にはローンの名義移転を認めてくれる場合がありますが、最近は認められないケースも増えています。

財産分与に伴うローン名義の変更を銀行が認めてくれない場合、ローンを借り換えたり、夫婦間で売買を行ったり、などの方法で権利を移転する必要があります。

予備知識5:夫婦間売買

男女間で金額を決めて、売買を行います。売買契約書・登記申請書・権利証・印鑑証明書等を法務局に提出して所有権を移転します。こちらもローンが無ければ自分たちでもできますが、多くの場合は不動産会社に仲介を依頼する方が多いと思います。

売買代金が市場価格よりも高過ぎたり低過ぎたりすると贈与税の対象となることがあります。売買金額の最低ラインの目安として、土地は前面道路路線価格の1.25倍、建物は標準建築費から、建物構造に応じて減価償却費を差し引いた金額です。

なお、本格的な売買仲介だけでなく、金融機関との調整や、書類作成のお手伝い等もできますので、お気軽にご相談ください。

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