今回は全10回のコラムを統括します。書類整理に始まり、建物の修繕、賃貸経営、税制までと、大切な不動産の「守り方」を伝えしてきました。これらを資産を守るための「わが家の戦略」としてお話ししていきます。
例えば家族の暮らしを豊かにするために、大切な財産を次の世代へどう引き継くかの「戦略会議」だと考えてみましょう。
不動産という共通のテーマに向き合うことは、家族の絆を深める「かすがい」にもなるはずです。自身の亡き後の話は避けがちです。家族の形も多様化し、住む場所も離れている現代だからこそ「もしも」の話を家族の「これから」の話と捉えることは大切です。
不動産は「攻めの維持管理」が鍵です。一度手放すと二度と戻らない不動産。一般的には相続が発生した後に売却する方が節税効果が高い場合もあります。
しかしただ持っているだけでは建物は朽ち、アパートは空室だらけと価値は下がる一方。重要なのは、適切なタイミングでの修繕や管理体制の見直しを行うこと。この戦略が「引き継ぎたい」と思い、次の世代にバトンがつながります。
不動産を取り巻く環境も常に変化。家族信託という新しい仕組みや、アパートの相続税評価の見直し、建築ルールの変更など、専門的なルールを全て学ぶ必要はありませんが、アンテナを張り変化を感じたら、信頼できるパートナーにすぐに相談できる体制を作っておくことも大切です。
不動産は、ただの「モノ」ではなく、家族の歴史と未来が詰まった大切な資産。この連載が、皆さんのご家庭で「これからのわが家」を話し合う機会になれば幸いです。